記事を作る仕組みを続けていると、下書きは少しずつ残る。
公開した原稿。
置き換えた旧稿。
明示的に不採用にした原稿。
どれも消したくはない。
でも、全部がdraftsに残ると、今から直す原稿まで探しにくくなる。
俺が分けたかったのは、新しいファイルと古いファイルではなかった。
今も仕事が残っている原稿と、役目を終えた原稿である。
終わった原稿は消さない。
理由を残してarchiveへ移す。
そうすると、過去を失わずに、今使う場所だけを軽くできる。
終わったファイルが、現役の場所を重くする
draftsを開いたとき、公開済みの原稿と、まだ企画を直している原稿が同じように並んでいるとする。
名前だけでは、どちらが今の仕事なのか分からない。
正式稿へ置き換えた旧稿もある。
途中で不採用になった原稿も、判断の経緯として残る。
全部を残すこと自体は悪くない。
ただ、役目を終えた原稿まで現役の場所に置き続けると、次に触るべきものが埋もれる。
古い日付の原稿を消せば軽くなるわけでもない。
昨日作った原稿でも、レビュー待ちなら現役である。
何年も前の原稿でも、なぜ置き換えたかを確かめるなら履歴として必要になる。
分ける基準は、古さではない。
今も判断や制作が残っているかどうかである。
draftは、公開前と公開済みを同じ場所に置かない
draftsに残すのは、執筆中、レビュー中、GO待ち、公開待ち、採否未確定の原稿である。
つまり、次に誰かが判断する余地がある原稿だ。
本文を直すか、レビューを採用するか、公開してよいか。
こうした判断が残っているうちは、原稿はdraftsにある方が分かりやすい。
一方で、公開後の確認まで終わった最終稿は、もう本文を直すための下書きではない。
制作時の原稿として役目を終えている。
公開済み原稿をdraftsに残したままにすると、下書きと最終稿の区別が名前だけになる。
それでは、今作業してよい原稿まで迷う。
draftは、原稿を集める場所ではない。
今も動いている原稿を置く場所である。
archiveは、過去を消す場所ではなかった
archiveへ移すと、過去の原稿を見えない場所へ追いやるように感じるかもしれない。
でも、削除とは違う。
本文、見出し、公開前に迷ったことは残る。
この運用では、archiveは現役ではない履歴を置く場所である。
公開済みの最終稿はpublishedへ残す。
正式稿に置き換えた旧稿はsupersededへ残す。
明示的に不採用と決めた原稿だけはrejectedへ残す。
同じarchiveでも、理由を混ぜない。
過去を残すことと、現役に置き続けることは別だった。
archiveは、履歴を消さずに現役の場所を守るための分類である。
公開済み、不採用、置換済みで行き先を分ける
publishedへ移すのは、公開後施工まで終わった最終稿である。
公開しただけでは移さない。
公開URL、DB、目次、series、必要なリンク、カルテの状態まで確認してから移す。
supersededへ移すのは、新しい正式稿に置き換えられた旧稿である。
実際に、S2-6の旧稿はS2-7の正式稿へ置き換えられた理由と一緒に残してある。
旧稿を消さなかったので、何が重複し、どの原稿が正式になったかを後から追える。
rejectedへ移すのは、ユーザーか編集長が不採用を明示した原稿だけである。
迷っている原稿や、まだ直せる原稿を入れる場所ではない。
分類名は、整理のためのラベルではない。
次にその原稿をどう扱うかを決めた記録である。
移すのは、公開後施工が終わってから
公開ボタンを押した直後、記事の仕事はまだ残っている。
公開URLを確認する。
DBへ登録する。
目次やseriesの並びを整える。
前後ナビと本文内リンクを確認する。
これらは、公開後にjissouがplanを出し、人間のGOを受けてから進める別工程である。
公開は人が決める。下書き保存と公開後施工を分けるで扱ったように、公開前の下書き保存と公開後施工は同じ仕事ではない。
だからarchiveへの移動も、公開操作と一つにしない。
公開後施工が終わり、カルテも完了になってから移す。
移すタイミングを遅らせるのは、片付けを後回しにするためではない。
終わったことを確認してから、履歴へ渡すためである。
履歴を残して、今使う場所を軽くする
前の記事「増えた仕組みを、全部は残さない」では、増えたものを現役、履歴、保留に分ける話を書いた。
前の記事で決めた「履歴として残す」という判断は、原稿にも使える。
その次の記事「正本を1つ決めたら、探す時間が減った」では、今知りたいことごとに、見る場所を1つ決めた。
その記事で扱ったように、今の本文を直すなら見るのはdraftである。
過去の正式稿を確かめるならpublishedを見る。
置き換えた経緯を確かめるならsupersededを見る。
不採用の判断を確かめるならrejectedを見る。
原稿を減らしたのではない。
今使う原稿と、後で確かめる原稿の場所を分けた。
俺がarchiveへ残したかったのは、古いファイルではなかった。
次に原稿を開くとき、今やる仕事から迷わず始めるための履歴だった。


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