前回、公開前チェックを分けたら、安心して下書きにできた話を書いた。
チェックする側と実行する側を分けた。
その次に残っていたのが、SEOレビューそのものだった。
AIのSEOレビューを何度か比較していくうちに、探していたものが途中で変わった。
最初は「どのAIが一番正確に指摘してくれるか」を知りたかった。
最後にたどり着いたのは、精度の話ではなかった。
ChatGPT、Claude、Geminiのどれが優れているかを比べたかったわけではない。
カルテを渡すと指摘が変わると最初に気づいた
最初にChatGPTへSEOレビューを頼んだのは、以前の記事「目次と内部リンクで、ブログを記事の集まりからサイトに変える」だった。
本文だけを渡して、指摘をもらった。
メインキーワードが弱い、H2にキーワードを足した方がいい。
検索対策としては正しい指摘だった。
その後、記事カルテ(henshuchoが作る発注書兼進行管理ファイル)ごと渡してみた。
このカルテは、発注書をやめて1枚にまとめ直した回で生まれた仕組みだ。
すると同じChatGPTが、違う判定を返してきた。
この記事の主役は「見つけやすさ」の設計思想であって、キーワードの数ではない。
本文だけでは見えない狙いが、カルテを渡すことで初めて見えていた。
ここで最初に分かったのは、指摘の精度が上がったということではない。
渡す情報を変えると、同じAIでも判断そのものが変わるということだった。
AI SEOレビューを比較したら、差はモデルではなく指示の厚みだった
次に、以前の記事「writerに本文だけ任せたら、逆に編集長の仕事が見えた」の本文をChatGPT・Claude・Geminiに渡して比較した。
Claudeには2回頼んだ。
1回目(v1)はレビュー観点だけを渡し、2回目(v2)にはメタディスクリプションの修正案と内部リンクの新規提案も出すよう明示した。
同じモデル、同じ本文なのに、v1はメタディスクリプション修正案を出さず、v2は具体案を出した。
内部リンクの新規候補も、v1では対象外だったものが、v2では「ブログ運営に役職を作った。編集長・ライター・リサーチャーで記事を書く」や「実装エージェントを作った。AIに全部やらせず、担当を分ける」という具体的な記事名まで挙がった。
モデルの性能ではなく、頼み方の厚みが結果を変えていた。
Geminiには、内部リンクの提案文中に「dear-pony2840.com」というドメインが混じっていた。
それはblog-sekkeiではなく、別クライアント(zumin)のドメインだった。
どのAIの指摘も、そのまま鵜呑みにはできないという事実も、同時に分かった。
「どこが抜けているか」ではなく「どこまで直していいか」を聞いてみた
前の記事では、聞き方をもう一段変えた。
記事カルテの中でも、この記事が何のために書かれたか(unique_angle)と、あえて書かないと決めたこと(exclude)まで渡した。
ChatGPTのカルテ込みレビューは、こう返してきた。
SEO自然度が低い理由はcontent_manager側ですでに把握済みだ。
本文の主役は品質チェックではなく権限分離だ。
H2をSEO寄りにしすぎると、記事の思想が薄くなる。
Claude v1では、同じ検索意図の薄さを単純な「指摘」として挙げていた。
だがunique_angleとexcludeを渡したClaude v2は、その同じ薄さを「狙い通りの取捨選択」として指摘から外した。
渡す情報が増えるほど、AIは「直すべきこと」を減らすようになっていった。
この役割を作る最小プロンプト
あなたは公開前レビュー役です。
本文とカルテを読み、内容のずれ、事実の不足、SEOタイトル・説明文・内部リンクの不一致を分けて指摘してください。
本文は直接書き換えず、修正の優先度を添えてください。
ChatGPTとClaude v2が、互いを知らないまま同じ結論に着地した
ここが今回、一番はっきりした部分だ。
ChatGPTとClaude v2は、互いのレビュー結果を見ていない。
それぞれ独立に本文とカルテを読んで、判定を出している。
それでも、たどり着いた結論は同じだった。
SEO最適化は、記事の思想を壊さない範囲に抑える。
H2見出しの修正案がその差をよく表している。
最初のナイーブな案はこうだった。
「AIライティングの品質チェックが通っても、投稿ボタンは押させなかった」
キーワードは入っている。
だが文の重心が「チェックの結果」に寄りすぎていた。
Claude v2が出し直した案はこうだ。
「AIライティングの品質チェックを通しても、俺は投稿の権限までは渡さなかった」
キーワードは残したまま、主語と重心を「俺(henshucho)」に戻した。
メタディスクリプションも同じ流れで調整された。
「投稿はしなかった」という結果の記述から、「投稿する権限までは渡さなかった」という権限分離の記述へ。
2つのAIが、同じ理由で同じ方向に文を寄せていた。
判断はAIから返ってこない。カルテに何を書くかへ返ってくる
3段階を振り返って分かったのは、AIの指摘精度を比べても意味は薄いということだった。
本文だけを渡せば、どのAIも似たようなキーワード指摘を返す。
そこに差はほとんどない。
差が出るのは、渡す情報の中身だ。
記事の狙いを渡せば、AIは「直すべきこと」を減らす判断を始める。
そしてその判断の質は、henshuchoがカルテに何を書いたかで決まる。
同じ考え方は、その記事でも起きていた。
SEOレビューに何を渡すかを変えていったら、精度の差だと思っていたものが、判断力の差だった。
そして最後には、AIが違っても同じ答えにたどり着いた。
次は、この判断をどう記録として資産化していくか、その話を書く。


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